星のこだま

天体撮影を中心につぶやきます。

機材紹介 フラットフレーム撮影用自作ツール

私が、フラットフレーム撮影用に使用している自作ツールをご紹介いたします。

光源は、A4サイズのELシートで、これを百均で買ってきたA4クリアケースに入れたものです。工作自体は極めて簡単で、クリアケースに穴をあけて、黒いプラスチック(セルロイド?)のシートを敷いて、そこにELシートを入れたものです。さらにクリアケースに丸い穴をあけて、光学系のフードを差し込んで撮影できるようにしたものです。

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このような感じになります。

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インバーターのスイッチを入れて、通電するとこのようにとても明るく光ります。均一な白色光で、発熱はほとんどしません。このままでは、フラットフレームの光源としては明るすぎるので、減光しなくてはなりません。私は、自動車のガラス用のプライバシー保護フィルム(UVカットフィルム)とトレーシングペーパーで減光しています。

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これは、プライバシー保護フィルムを1枚だけおいたところです。だいぶ減光しましたが、まだまだ明るいのでさらに1枚置いて、あとは光学系やカメラに応じて、トレーシングペーパーの枚数で調整しています。露光時間が、おおよそ5秒以上くらいになるように減光するようにしています。プライバシー保護フィルムやトレーシングペーパーは、クリアフォルダに入れて、ELシートの上に乗せています。

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ちょうどよい高さの白色のスポンジなどをおいて、そのうえに光学系の径に合わせてくりぬいた黒色のプラスチックシートをのせて、クリアケースの蓋を閉めます。私は、手元にちょうどよい高さの激落ちくんがあったので、それを使いました。もっと小さく切ってもよいかもしれません。

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このようにフードを差し込んで、撮影します。筒先が、しっかりと垂直になるように気を付けて固定しています。あまり傾いたりすると、おかしなパターンのフラットフレームになってしまい、上手く補正できなくなります。フィルター類や接続方法、撮影感度は同じ条件にします。ピントは、紙テープを貼っておおよその印をつけています。温度調整は、ノイズが多くならないように冷却しますが、あまり厳密にはしていません。フラットフレームのダーク減算は、行います。部屋は、暗くしたほうがうまくいくようです。

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光学系のフード径に合わせて何枚か用意してあります。径は大雑把で、少しおおきめにくりぬいています。

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コーワPROMINAR 500mm F5.6とAstro6Dの組み合わせのフラットフレームです。

20枚程度のフラットフレームと同じ露光時間のダークフレームを撮影して、ステライメージもしくはDeepSkyStackerでダーク減算とコンポジットしています。わかりやすいようにレベル調整して強調してあります。

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フラット補正前

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フラット補正とカブリ補正後

光害地で撮影したバラ星雲の例です。だいぶ前の写真なので撮影条件など詳細は分からなくなってしまいましたが、おおよそ上記のように補正できます。周辺部が、少し過剰補正になることが多いので、ステライメージの周辺減光補正で逆補正して、調整していています。フラット補正がうまくいけば、カブリ補正は比較的簡単なパターンになることが多いです。ただ、時々、フラットフレーム撮影時に筒先が傾いたり、余計な光が入ったりして、上手くいかないこともあります。

現在は、LED光源を使用したフラットジェネレーターなども発売されているようですが、このような自作ツールでも、おおよそのものは撮影できています。なるべく安価に色々な径の光学系に対応できるようにと考えました。

ELシートは、Lumitechno(https://www.el-sheet.jp/)というお店で5年ほど前にネット通販で購入しました。専用のインバーターとセットで17,000円くらいだったと思います。LEDが主流になっている現在では、手に入るかどうかわかりません。今後は、LED含めて他の方法も考えなくてはならないかもしれません。