星のこだま

天体撮影を中心につぶやきます。

土星、木星、火星・・・

昨日は、火星の最接近でした。

天気にも恵まれたので、撮影に行ってきました。しかし、肝心の火星は、ピンボケをはじめとした色々な失敗でうまく撮れませんでした(泣)

土星木星がまあまあ撮れたので、残念でした・・・

前回のディスク容量不足の教訓を生かして、外付けポータブルSSD512GBを準備していきました。USBメモリ2本程度の筐体にもかかわらず大容量で読み書きも高速で快適でした。強拡大での対象導入にも少し慣れて、前回に比べると比較的スムーズにいきました。撮影時のカメラの向きも気を付けました。

 

f:id:star-echo:20180801171906p:plain2018/7/31撮影 Celestoron C5 + PHOTON 3×バロー 合成F29.4 fl3750mm + ZWO ADC
Vixen SXP赤道儀ノータッチガイド
ZWO ASI178MC-Cool 外気温-25℃冷却  撮影エリア1920×1200
Gain300 1/4sec 1000flame撮影 800flame合成
Registax6、ステライメージ、photoshop elementsにて画像処理

f:id:star-echo:20180801172636p:plain2018/7/31撮影 Celestoron C5 + PHOTON 3×バロー 合成F29.4 fl3750mm + ZWO ADC
Vixen SXP赤道儀ノータッチガイド
ZWO ASI178MC-Cool 外気温-25℃冷却  撮影エリア3096×2080
Gain255 1/10sec 2000flame撮影 1600flame合成
Registax6、ステライメージ、photoshop elementsにて画像処理

 

f:id:star-echo:20180801173246p:plain2018/7/31撮影 Celestoron C5 + PHOTON 3×バロー 合成F29.4 fl3750mm + ZWO ADC
Vixen SXP赤道儀ノータッチガイド
ZWO ASI178MC-Cool 外気温-25℃冷却  撮影エリア1920×1200
Gain255 1/25sec 1000flame撮影 800flame合成 正方形にトリミング
Registax6、ステライメージ、photoshop elementsにて画像処理

今回、初めて撮影エリア任意指定機能(ROI)を使ってみました。ファイルサイズが小さくなって、撮影時間が短縮できること、さらに拡大率が上がるなどのメリットを感じました。木星だけは、衛星を入れたかったので最大の撮影範囲で撮りました。大きさを比べるには、すべて同じROIにするべきですね。木星は、本当に大きいです。明るさは、Gainと露光時間から見ても火星が明るいです。このあたりからも最接近を感じます。土星は、遠くて暗いです。火星の画像が微妙なのは、ピントの追い込みが不十分なことが最大の理由だと思いますが、少しでも最接近時間に近い時間と焦るあまり20時40分ごろと低空で撮影したことやADCの設定ミスなどもあったと思います。動画は、すごく揺らいでいました。ちょっと残念な記念撮影になってしまいましたが、まだまだ見ごろが続きますので、また撮影したいと思います。

はじめての惑星拡大撮影

昨晩は、火星と土星を撮影してきました。

実は、今回はじめてのことが多かったのです・・・

これまで星雲・星団・銀河などの撮影ばかりで、惑星撮影はほとんどしたことがなく、拡大撮影は初めてでした。そして、先日あらたに購入したセレストロンC5とZWO ADCのファーストライト。RegiStaxは、その存在は知っていたもののwaveletまでやるのは初めてでした。望遠鏡、バローレンズ、ADCのセッティング、強拡大・小さいセンサーカメラでの天体導入など試行錯誤しましたが、何とか一応の成果物ができました。

 

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2018/7/29撮影 Celestoron C5 + PHOTON 3×バロー 合成F29.4 fl3750mm + ZWO ADC
Vixen SXP赤道儀ノータッチガイド
ZWO ASI178MC-Cool 外気温-25℃冷却 Gain255 1/25sec 500flame撮影 400flame合成
Registaxにて画像処理 正方形にトリミング

 

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2018/7/29撮影 Celestoron C5 + PHOTON 3×バロー 合成F29.4 fl3750mm + ZWO ADC
Vixen SXP赤道儀ノータッチガイド
ZWO ASI178MC-Cool 外気温-25℃冷却 Gain255 1/8sec 270flame撮影 41flame合成
Registaxにて画像処理 正方形にトリミング

 

このバターンの機材のセッティングからして初めてで、バランスとりから対象導入までかなりもたつきました。そして、小さなセンサーとはいえ、動画を撮ってみると結構なファイルサイズになってしまい、火星を撮影したところで60GBちかくのサイズ・・・土星動画の本撮影をしようとしたらディスク容量不足の表示・・・さらにもたついている間に急激に曇ってきてしまいました。カメラの向きもいつもの星雲・銀河撮影の感覚のままなので、角度や上下もおかしいかもしれません。そして、画像処理も初めてでした。

このような感じでしたが、C5やバローレンズの性能がまずまずかなということ、話題のADCをなんとなく実感できたこと、Registaxを一応最後まで使ってみたこと、などなど私にとっては記念すべき撮影でした。まだまだ色々と検討しなくてはならないことが多そうですが、また楽しみが増えました。

奥日光にて

先日、奥日光に天体撮影に遠征しました。
当日は、日中から夕方にかけて雲が多くて心配でしたが、21時ごろから晴れてきて満天の星空となりました。

三裂星雲(M20)と干潟星雲(M8)です。

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2018/7/13-14撮影 KOWA PROMINAR + TX07(350mm F4.0) 
ZWO ASI1600MM Pro 外気温-25℃冷却 L 180sec×10コマ R,G 180sec×3コマ B 180sec×5コマ RGB=bin2 Gain255 総露光時間54分
ZWO社フィルター LRGB合成
Vixen SXP赤道儀 + M-GEN+コーワLM100JCにてオートガイド
ステライメージ、Photoshop Elementsにて画像処理

 

コーワPROMINAR+TX07(350mm F4.0)とフォーサーズの冷却CMOSカメラでの撮影です。冷却CMOSカメラは、使用し始めてまだ日が浅く、色々な設定など試行錯誤中です。ハイライト部分が飽和してしまっており、四隅の星像も放射状に伸びてしまっています。Gainなどを中心にまだまだ検討が必要そうです。また、PROMINARは、フルサイズでも四隅の星像はあまり乱れることはありませんが、TX07の補正レンズとCMOSセンサー面の距離が適正ではなかったようです。TX07は、Tネジ仕様のものを使用しています。EOSマウントを介しての接続では、距離が適正になるようですが、Tネジを使用しての接続では、もう少し追い込みが必要そうです。

ここ数年は、コーワのPROMINARを愛用しています。これまで、タカハシのSKY90やFSQ-85ED、TSA-120なども所有していましたが、徐々に機材の軽量化を図る中で手放してしまいました。カメラレンズを中心に使うようになったため、フランジバックの長い冷却CCDも冷却CMOSへ置き換えてしまいました。

光害地での撮影

美しい星空を求めて、奥日光や南会津しらびそ高原などへ遠征することもありますが、頻繁に行けるわけではないので、普段は地元の光害地で撮影することになります。
光害地での撮影では、色々と工夫する必要があります・・・
以前は、一眼デジカメと光害カットフィルターくらいしかなく、画像処理でのカブリ補正などとても苦労しました。
その後、モノクロCCDカメラとナローバンドフィルターでかなり改善しました。
加えて、最近では、冷却CMOSによる短時間露光Live stackも威力を発揮してくれるようになりました。

以下は、Live stackによるM57とナローバンドによるNGC7000+IC5067です。

 

f:id:star-echo:20180727214510j:plain2018/6/21撮影 KOWA PROMINAR 500mm F5.6 FL  Vixen SXP赤道儀
ZWO ASI178MC-Cool 外気温-25℃冷却
SharpCapにて15sec 31コマLive stack Gain255 総露光時間7分45秒(465sec)
M-GEN+コーワLM100JCにてオートガイド ステライメージにて画像処理

 

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2018/7/1撮影 SIGMA 150mm F2.8 APO MACRO DG  Vixen SXP赤道儀
ZWO ASI1600MM Pro 外気温-25℃冷却 Hα,OⅢ,SⅡ各々180sec ×5コマ Gain255
ZWO社フィルター SAO合成
M-GEN+コーワLM100JCにてオートガイド ステライメージにて画像処理

 

以前に比べると光害地での撮影手段にも幅が出てきて、撮影後の画像処理も楽になったと感じています。特にLive stackは、短時間の露光でも大量にコンポジットすることによって淡い対象でもかなり映し出せるようです。しかも、短時間露光なので光害の影響も受けにくいようです。月齢や撮影対象に応じて、ナローバンドと使い分けています。

ZWO社のCMOSカメラは、軽量で取り回しがしやすく、感度もよいです。しかしながら、CCDに比べるとやはりノイズが多く、冷却時のアンプノイズもあります。特にカラーカメラのASI178MC-Coolは、4隅に若干アンプノイズと思われる赤カブリがあり、多少のトリミングが必要になります。また、SharpCapによるLive stackでは、あらかじめ撮影しておいたダーク画像でダーク減算をリアルタイムで行う必要があります。これをしないと背景がかなり荒れた画像になってしまいます。このリアルタイムダーク減算やフラット補正の機能は、有料ライセンスが必要ですが、購入する価値は十分あると感じています。

いずれにしても、10年ほど前に天体撮影を始めたころに比べると随分と環境が変わったと感じています。

しらびそ高原にて

2年前の夏に南アルプスしらびそ高原で撮影した北アメリカ星雲とペリカン星雲(NGC7000, IC5067)、ガーネットスター星雲(IC1396)です。

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KOWA PROMINAR FL+TX07(350mmF4.0) VIXEN AP赤道儀(K-ASTEC改造)

Central DS ASTRO6D (UV/IR仕様)  IDAS LPS-P2 ISO3200 180sec × 20コマ

外気温-10~-15℃冷却 M-GEN+コーワLM100JCにてオートガイド(ディザリング)

 

コーワPROMINARと冷却改造EOS6D(ASTRO6D)での撮影です。ASTRO6Dは、外付けの強制冷却ファンユニットの装着にて8Vで外気温-18℃程度まで冷却可能ですが、これを使用せずに直接4V供給でも冷却可能です。私は、通常モバイルバッテリーから5V供給をしています。これでも外気温から-10~-15℃冷却できています。さらにM-GENによるディザリングガイド(ランダムディスプレイサー)を組み合わせて、ほんの少しづつ構図をずらしながら撮影したものをコンポジットしています。もともとノイズの少ない6Dに冷却とディザリングを組み合わせることによって、ダーク補正を省いています。フラット補正は、ELパネル減光でとりだめておいたものを使用しました。

追尾は、ビクセンAP赤道儀をK-ASTECさんがMTS-3自動導入改造したもので行いました。Bluetoothモジュール内蔵なので、スマホと接続してSkySafariにて自動導入しました。消費電力は、12V 0.25-0.40A程度と小さいので、モバイルバッテリーに5V-12VステップアップDCコンバーターを接続して電源供給しています。

光害カットフィルターは、入れっぱなしにしておいたものを取り忘れてしまったというのが正直なところです。しらびそ高原の星空だと必要ないのでしょうが、結果的には画像処理が楽になったと感じています。

普段は、SXP赤道儀を使用することが多いのですが、今回は、家族とのキャンプも兼ねていて荷物を極力少なくする必要があったので、上記のような構成になりました。省スペース省電力ですが、十分実力のある組み合わせだと感じています。思い出に残る2枚です。